2017年1月29日日曜日

すぐに業界って言う人


何かにつけて「家具業界のために」っていう人がいます。僕もかつてはそんな時がありましたが、今はほとんど口にしなくなりました。

その理由は3つあります。

まずは、業界という定義が曖昧だという事です。どこからどこまでが業界ってわからなければ活動も自ずと曖昧なものになりますよね。

次に、業界にとっての良し悪しって誰がどうやって決めるの?という点です。企業の良し悪しは企業がそれぞれ決めるんですけど、それらの理念は千差万別ですから、これも、曖昧なものになります。外務省主導の京都議定書みたいな共通目的があればそういう策定もできますが、そんな公の機関は日本の家具業界にはありません。例えあっても、それが政治団体ではなく、民間の企業団体なら、議論は紛糾して決まらないでしょう。

最後は、ちょっと極め付けなんですが、僕自身の事業が大きくなり、自分の仕事にようやく自信を持つようになってきたからです。あくまで私見として申し上げますが、 自社及び個人の仕事に迷いがない人は、自分の仕事が業界にとって良い影響を生むに違いないと日々実感しています。だから、ただ単純に自分の仕事に邁進できる。そんなわけで、ことさらに業界業界と言わなくなるんだと思います。

これを読んで心当たりがある人には、少し申し訳ないのですが、はっきり言って、業界なんて幻想ですよ。産業の動きを手っ取り早く把捉するための単なる数字の集積です。そこには過去の漠然とした結果しかありません。

経営者の方は家具業界を語るより自社を語りましょうよ。自社の発展がそのまま業界の前進につながると自信を持っていれば、自ずと自社の話しかしなくなると思いますし、他社の人間に業界がどうのこうのと話を振ることは無くなると思います。また、従業員の方で、もし、今の仕事が業界や世の中のためになっていないと思い、その状況を憂慮するがゆえ、他者(他社)を捕まえて業界を語るしかないのなら、その人は、その会社を転職した方が良いと思います。良し悪しは別にしても、そこには、少なくとも確固たる理念があるわけですから、そういう人は独立する資質を持っている方なんだと思います。