2015年9月21日月曜日

ウォールナットの次の流行はなんだ?


家具業界に身を置くクリエーターたちが共通して考えていることがある。そのウチの一つに・・・。

「ウォールナットの次は何が来る?」

というお題がある。

デザイナー仲間と飲んでいるといつもこの話題で盛り上がるほどだ。

確かに現在、特に日本の家具シーンは、ウォールナット一色に染まっていると言っていいだろう。「欧米家具の当たり前、ウォールナット」が日本において住宅の流行に乗ったのは23年くらい前だっただろうか(もちろん一部工房などでは戦後間もなくから使っていた)。その時分、僕はちょうど建材メーカーの営業社員だったのだが、オーク一辺倒のフローリングにウォールナットとチェリーが唐突に追加されたのを今もよく覚えている。20年ほど前に一部インテリアショップで扱われ始め、その後六本木ヒルズの内装に全採用されたりして一般化した。

20年か。
流行だとしたら、確かにそれは長い。

しかし、材の流通はその背景に、調達の利便性が求められる。日本に入ってくるウォールナット(チェリー、ホワイトアッシュ、ハードメープルなどを含めて)は大抵、アメリカ広葉樹協会から安定的に入ってくる材だ。国際情勢を踏まえてこれがそうそう揺らぐとは思えない。

また、ウォールナット材自体の優秀性も捨て置けない。径の大きさ、加工のし易さ、粘りもそこそこある。そして、そもそも杢の美しさは一級品。人類がファラオの時代から使っている材だ。歴史的な観点で見ても申し分の無いクォリティを誇っている。ローズウッド、マホガニー、チークを尻目に大量植林が実現しているという点も材の優秀性に加えて良いだろう。

つまり(ブラック)ウォールナットの人気には普遍性がある。
流行ではないのだ。

ウォールナット人気は、今後も例えば、多少の為替の影響などでは揺らがないと思う。この材の人気は一時的なものではないのだ。

とは言え、昨今のように、巷がウォールナット一辺倒では家具業界が華やがないのは確かだ。

マーケットはそろそろウォールナットに対抗する材を求め始めるだろう。いや、もうすでに求め始めている。

僕らインテリアショップの立場は、マーケットを通して業界に新しい価値観を与える側にいるので、これについては、能動的にどんどん提案して行かなければならない。

チェリーか
レッドオークか
はたまた国策の針葉樹か?

いや・・・。
直感的にピンと来ない。

ウォールナットに対抗する家具材。

僕が思うに、それは木ではいけない気がしている。
石だ。
金属だ。
革だ。
カーボンだ。

素材の色ではないような気がしている。
黒だ。
白だ。
グレーだ。
鮮色だ。
グラフィックだ。

そんなことを思いながら、今日も家具デザインの手を進めている。



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