2015年3月27日金曜日

AREA新店舗出します


「はい、次はここにご署名いただいて。社印ですね。ゴム印で結構です。ここに社長様の自著を。あ、あと裏に割り印を」

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表参道(みゆき通り)、ギャルソン・ビルの上で契約をしている。不動産契約だ。夏前にはまた新たにAREAの新店舗ができることになる。青山は3店舗目になる。

契約を終えて自転車に乗った。

表参道から外苑前のお店まで3分かからない。口笛を吹いて青山通りを走る。

旧フランフランの跡地にポルシェのショールームができていた。今東京はプチバブルだ。最先端の現場で体感している。

B.ブラザーズ本店の前で信号待ち。
振り返ると六本木ヒルズが威圧するようにそびえている。

イヤホンからはU2。ボーノのかすれた声。

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「全財産どころかこれだけ金借りまくってさ、この店ポシャったらよ」

13年前の自分の独り言を思い出した。
茅ヶ崎から東京に進出した当時。
AREA本店の不動産契約をした日の午後のことだ。

毎日不安で寝れなかった。
文字通り一睡もできなかった。

練りに練った理屈や戦略だと失敗する確率は60%。甘く見てもだ。

茅ヶ崎の身内からの電話にいやいや出た。

大丈夫か?

「大丈夫?なんだよ大丈夫って。
失敗?しないよ。するわけないだろ」

身内にも仲間のみんなにも必死にタフな笑顔を見せた。でも内心はガクガクで足なんて本当にカクカクだった。

建ったばっかりの六本木ヒルズがギラギラ僕を見下していた。あの頃は奴が東京の象徴のようで、怖くて直視できなかったな。

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ふと我にかえる。当社CROWNと同じ年のヒルズは今日も変わらずギラギラしている。

「不動産契約の帰りに口笛吹いてよ、
お前もえらく立派になったもんじゃねーか」

ヒルズにそう言われた気がした。
ドキッとしてうつむいた。

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「でもよ・・」

あの頃見えていなかった道筋が、今は見える。もう夢じゃない。現実の道筋と到達すべき場所だ。大勢の仲間もできたよ。みんなで世界に行くんだ。一日でも早く東京を、いや日本を卒業してやる。

そう思ってもう一度見上げると、

ヒルズはヒルズだった。
ただのビルディングだった。

信号が青に変わる。

ペダルを力いっぱい踏み込んだ。

風が吹いた。
さあ行くぞ。

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というわけで、AREAの新店舗ができます。
今回はグリーンシードさんにお世話になります。
また詳細はご報告しますね。













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