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2013年7月7日日曜日
家具選びのコツ #1
「家具を選ぶ時、何を基準にして選んでいますか?」
よそのお店の店長時代から今まで、
僕は途方もなく果てしない数の接客をして来ましたが、
家具選びの基準をお客さまに聞くと、
大抵、
「んー・・デザイン?」
って答えが返ってきます。
ですよねー。デザイン大事です。
だって、気に入らないデザインをずっと(一生単位でとか)
使って行くことなんてできないですから。
でもね、そこでちょっと考えてみて下さい。
デザインには流行があるんです。
確かに、家具というのは高耐久商品ですから、アパレルと違って、
そのスパンは緩やかで長いものです。
しかし、いくら緩やかで長くても、
あるものはあるんです。
70年代のフラワー系。
80年代のバブル系。
90年代のカウンターカルチャー系
00年代のノスタルジー系
「ウェグナーのYチェアみたいに時を超越する名作もありますけど?」
そんなご意見もあります。
そうですね。分かります。
でも、バブルの頃は一部のプロや好事家を除いては、
だれもYチェアに目を向けていませんでした。
ミースのバルセロナあたりが羨望の眼差しで見られていたんですね。
先ほども言いましたが、家具は高耐久商品です。
「20代で買ったテーブルを使い続けて30年経った」
なんて話はザラにありますよね。
テーブルって、それが安物だったとしても、
そうそう壊れないんですよ。
天板に脚がついているだけの構造ですから。
車と違って、壊れようがないんです。
中目黒のボロいけど味のあるマンションに似合う、
チープシック&カウンターカルチャー系のテーブルを買ったカップル。
時が経ち、引っ越しをする事になったけど、
新しいマンションに、どうにもフィットしない。
「どうするこれ?」「捨てる?でも割と高かったし」
って具合で、世の流行の変化とは別に、
自分たちのライフステージが変わってしまうこともあります。
そう言う意味で考えると、
ひとときの自分的流行デザインで選ぶのは、
厳しい結果になりますね。
では何を基準に家具選びをするのか。
という、今回の話の結論ですが、
僕は、それを、
「素材」だと考えています。
「あの時本当にこの家具を買って良かった」
実際、20年後、30年後もそう言いきる人は、
必ずといっていいほど、素材を基準に家具選びをしています。
つづく
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